
2月2日(月)放送の朝ドラ『ばけばけ』第18週86話「マツエ、スバラシ。」で、再び「ラシャメン」が出てきましたね
ヘブン先生が松江にやってきたばかりの頃、おナミさんが「ラシャメンになればここから抜け出せる」とか、おトキちゃんも最初は「女中=ラシャメン」と思い込み、「ラシャメンになる気はありません!」と突っぱねておりましたね
今回もまたドラマのラストで「ラシャメン」が出てきましたが、そもそも「ラシャメン」とはなんでしょうか
「ラシャメン」とは、幕末から明治にかけて、日本在住の西洋人を相手に取っていた遊女、もしくは日本での外国人の現地妻・洋妾(ようしょう)となった日本人女性のことを指す差別的な呼び名です
「ラシャメン」は漢字で、「羅紗緬」や「綿羊娘」と書きます
この語源がまたなんともシビアと言うか侮蔑的で……
- 「ラシャ」(羅紗=洋風の毛織物)と「綿羊(めんよう)」を結びつけ、外国船に積まれていた羊から連想された言葉
- 体毛が濃い西洋人男性を羊になぞらえ、そうした相手に“金目当てで抱かれる娘”
と、当時のかなり強い排外感情とも結びつき差別語として定着していきました
明治期の新聞でも「外国人の妾を俗にラシャメンと称す」と書かれており、当時から差別語として使われていました
実は安政6年(1859年)の開国および横浜開港の際、幕府公認で、外国人専用の港崎(みよざき)遊郭を作ってるんですよ
有名なのは「岩亀楼(がんきろう)」ですね
当初は外国人相手の遊女になろうという女性は少なかったものの、横浜の「綿羊娘(ラシャメン)」の月給は最低でも10両(現在の約100万円くらい?)とされ、当時としては破格の高収入だったそうです
とはいえ一生「国辱」とされるほどの強い偏見にも晒されたそうで、おナミさんも、ここから抜け出せるならどんな偏見にも耐えてみせるというようなことをおっしゃっていましたね
あの渋沢栄一も昭和初期に刊行された『幕末開港綿羊娘情史』という書籍の序文に批判した記事を書いてますからね……
超絶女遊びが派手で、妻と妾を一緒に住まわせていた渋沢栄一ですら批判してるので、相当強い差別があったんでしょうね
当初は「ラシャメン」という蔑称は、外国人専用遊郭の遊女に限定されましたが、後には異人館に通う一般女性、外国人の家庭で働く女中、さらには外国人の正式な妻まで「ラシャメン」と呼ばれ、差別の対象が広がっていきました
実際、「ばけばけ」のおトキさんのモデル、ラフカディオ・ハーンの妻・小泉セツさんも、実際には正式な妻であっても周囲から「ラシャメン」「洋妾」とみなされ、「そう呼ばれるのが一番つらかった」と伝えられています
「ばけばけ」でも
- 遊郭で働くおナミさんが「多額のお給金」がもらえるとヘブンさんのラシャメンを狙うシーン
- ヘブン先生、外国人の女中=ラシャメン
と「ラシャメン」が具体的に分からなくても、偏見の強い立場なんだなとわかる描写がありました
そして86話でも、おトキちゃんは借金を返してもらうために外国人と結婚した=ラシャメンという風に描かれてしまいましたね
果たして今後はどうなるのでしょうか
つーか、梶谷のせいなんだから梶谷がなんとかしろよ!
