
朝ドラ『風、薫る』第10週第47話「疾風に勁草(けいそう)を」(2026年6月2日(火)放送)では、患者の死と向き合う看護実習生たちに向けて、バーンズ先生が深く心に残る言葉を語りました
患者を亡くして落ち込むゆきへの励まし、トメの話、そして「あなたなりの答えを出してください」という力強いメッセージ
この記事では、『風、薫る』第47話に登場した英語セリフををすべて取り上げ、フレーズごとにわかりやすく解説します
日常英会話でも使える表現が盛りだくさんなので、ぜひ最後まで読んでみてください!
患者を亡くして悲しみから立ち直れないゆき
バーンズ先生はゆきの布団をはがし、りんや直美、多江らを集めて授業を行います
「トメだって平気なわけじゃない。ただ耐えているだけ」と伝えながら、医療の仕事につく者が遅かれ早かれ直面する現実を語ります
そしてゆきに「この実習で生まれた課題に、自分なりの答えを出してください」と静かに、しかし力強く告げます
同じように内科で患者を看護していたトメはどうですか?
トメは…、
Tome is simply gritting her teeth and enduring it.
(トメはおもてには出さないだけで)
It’s not that she isn’t her suffering.
(つらくないわけではありません)
Enduring with all one’s might and being free from pain are two different things.
(耐えること、つらいと思うこと、この2つは別の話です)
<トメの看護婦になりたい理由が兄を亡くしたからという話を聞いて>
看護の仕事は、いえ、医療の仕事につく人は、
They wish to save people, and they study and train for it.
(人を助けたいと願い、勉強や訓練を重ねるのに)
It’s sooner or later, they must face moments when they’re powerless to save someone.
(これから先、助けられない瞬間はもっと訪れます)
Yuki, face the challenge of the hard training with sincerity.
(ゆき、この実習で生まれた課題に)
Seek your own answer.
(あなたなりの答えを出してください)
Tome is simply gritting her teeth and enduring it.
(トメはおもてには出さないだけで、ただ歯を食いしばって耐えているのです)
バーンズ先生は、トメが平気なわけではなく、苦しみを表に出さずに耐えているだけだと伝えます
ここで使われた「grit one’s teeth」は、
- 歯を食いしばる
- 必死に耐える
- 苦しみに耐え抜く
という意味の慣用表現
日本語でも「歯を食いしばる」という表現がありますが、英語でもまったく同じイメージで使われます
耐えるというイメージが日本語でも英語でも同じなところが面白いですね
「simply」が加わることで「ただただ〜しているだけ」というニュアンスが出ます
トメが感情を外に出さずに黙って耐えている様子が伝わります
- I just gritted my teeth and got through it.
(歯を食いしばって乗り越えた) - Sometimes you have to grit your teeth and keep going.
(時には歯を食いしばって前に進むしかない)
- tough it out:つらい状況をじっと我慢する
- hang in there:頑張って持ちこたえる
- put up with it:〜を我慢する
It’s not that she isn’t her suffering.
(つらくないわけではありません)
「It’s not that …」は「〜というわけではない」を意味する構文
そこにさら「 isn’t(否定)」が入って二重否定になっています
つまり直訳は「彼女が苦しんでいないというわけではない」→「苦しんでいないわけではない=苦しんでいる」という意味になります
日本語でも「つらくないわけじゃない」という言い方をしますね
あの感覚そのままですね
It’s not that + 否定文
= 〜ないわけではない(実際にはそうである)
「It’s not that 〜」は日常会話でも「〜というわけじゃないんだけど…」と言い訳や補足をしたい時にめちゃくちゃ使えます
- It’s not that I don’t like him.
(彼のことが嫌いなわけじゃない) - It’s not that she isn’t trying.
(努力していないわけではない)
ポイント: 英語で「完全にそうではないが、ある程度はそうだ」と伝えたいときにとても便利な表現です
Enduring with all one’s might and being free from pain are two different things.
(耐えること、つらいと思うこと、この2つは別の話です)
「endure」は
- 耐え抜く
- 辛さを受け止めながら続ける
- 苦難に耐える
という意味があります
バーンズ先生は、「耐えていること」と「苦しんでいないこと」は全く別だと語ります
今回のセリフで印象的な言葉でした
Enduring with all one’s might and being free from pain are two different things.
(耐えること、つらいと思うこと、この2つは別の話です)
このセリフのポイントは2つ
- ポイント1:動名詞を主語に並べる
Enduring(耐えること)と being free from pain(痛みから解放されること)という2つの動名詞フレーズが主語になっています - ポイント2:A and B are two different things.
「AとBは別物だ」と強調するための定番フレーズ
議論や説明でとても使いやすい表現です
「with all one’s might」は「全力で・力の限り」という意味の慣用表現
- Knowing and doing are two different things.
(知っていることとやることは別の話) - Being busy and being productive are two different things.
(忙しいことと生産的であることは違う)
They wish to save people, and they study and train for it.
(人を助けたいと願い、勉強や訓練を重ねる)
「wish to do」は「want to do」より改まった・真剣なニュアンスがあります
単なる「したい」ではなく、「心から願っている」という気持ちの強さが込められています
- I want to be a nurse.(看護師になりたい)← 一般的な希望
- I wish to be a nurse.(看護師になることを願っている)← より真剣・公式な響き
study and train はセットで「勉強と訓練を重ねる」
医療・看護の厳しさが伝わる表現です
It’s sooner or later, they must face moments when they’re powerless to save someone.
(これから先、助けられない瞬間はもっと訪れます)
「sooner or later」は遅かれ早かれという意味の副詞フレーズ
「いつかは必ず〜する」という、正確なタイミングは分からないものの、近い将来か遠い将来のいずれかに起こるであろう出来事について話す際に使われます
- Sooner or later, you’ll understand.
(遅かれ早かれわかるよ) - Sooner or later, everyone makes mistakes.
(遅かれ早かれ誰でも失敗する)
通常、文頭または文末に配置されます
「It’s sooner or later, they must face…」より「Sooner or later, they must face…」と文頭に置くことが多いのですが、私の聞き取り違いかもしれません
(sooner or later の前に It’s って言ってるような気もするけど、違うかも……)
It’s sooner or later, they must face moments when they’re powerless to save someone.
(これから先、助けられない瞬間はもっと訪れます)
「powerless」は、
- 無力な
- 力が及ばない
- どうすることもできない
という意味の形容詞
「powerless to do」で「〜することができない」という意味になります
バーンズ先生は、医療従事者なら誰でもいつか「救えない命」に直面すると語ります
医療現場だけでなく、日常生活でも使われる重要な単語です
- I felt powerless to help her.
(彼女を助けられなくて無力感を覚えた) - Sometimes we’re powerless to change things.
(時に私たちは状況を変えられないことがある)
Face the challenge of the hard training with sincerity.
「face the challenge」は「課題・困難に向き合う」という意味の定番フレーズで、非常によく使われる英語表現
ここでの「face」は「顔」という意味ではなく「正面から向き合う」という動詞です
「with sincerity」「誠実に・真摯に」
「sincerely(副詞)」より「with sincerity(名詞句)」のほうがやや重みのある響きになります
- Face the challenge head-on.
(課題に真っ向から向き合え) - She faced every difficulty with sincerity.
(彼女はあらゆる困難に真摯に向き合った)
Seek your own answer.
(あなたなりの答えを出してください)
最後にバーンズ先生がゆきへ贈った言葉
直訳すると「あなた自身の答えを探しなさい」
「seek」は、
- 探し求める
- 求め続ける
という意味の動詞
「look for」より文学的・真剣なニュアンスがあります
「your own」が「あなた自身の・あなたなりの」という意味を加えていて、「誰かの答えではなく、自分で見つけた答えを」というメッセージが込められています
- Find your own answer.
(自分の答えを見つけて) - Discover what works for you.
(自分に合うものを見つけて)
Practicing a difficult piano piece and actually playing it well are two different things.
It’s not that I don’t enjoy the practice, but sometimes it is tough.
But I want to do my best to play it just the way I want.
難しいピアノの曲を練習することと、実際に上手く弾けることは別物だ
練習が楽しくないわけではないけれど、時々しんどくなる
でも、自分の理想通りに弾けるよう頑張りたい
- 「A and B are two different things(AとBは別物)」は、趣味の理想と現実のギャップを語るのにおすすめ
- just the way I want:まさに私が望む通りに/思い通りの
- 「理想通り」には英語で次のような表現もある
- just the way I want:自分が望むその通りのやり方で
- ideally:理想的には
朝ドラのセリフをただ眺めるだけでなく、こんな風に「3行日記」にアレンジしてアウトプットするのが、英語を身につける、モノにするコツ
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今回のセリフを参考に、日記で使えるフレーズをまとめました
- I gritted my teeth and got through it.
(歯を食いしばって乗り越えた) - It’s not that I’m not struggling.
(つらくないわけじゃない) - Sooner or later, things will work out.
(遅かれ早かれうまくいく) - I’m seeking my own answer.
(自分なりの答えを探している) - I want to face it with sincerity.
(誠実に向き合いたい)
今回の第47話では、忍耐・無力感・誠実さにまつわる表現が印象的でした
- grit one’s teeth:歯を食いしばって耐える
- It’s not that … isn’t … :「〜ないわけではない」の二重否定
- A and B are two different things:AとBは別物だ
- sooner or later:遅かれ早かれ
- powerless to do:〜できない無力さ
- Seek your own answer:自分なりの答えを求める
今回登場したこれらの英語フレーズは、どれも日常英会話でも使える実用的な表現ばかり
ドラマをきっかけに意味やニュアンスまで理解しておくと、英語表現の幅がぐっと広がりますよ
特に今回のような「感情のこもった英語表現」は勉強して覚えただけではなかなか身につきません
自分の思いをのせて伝えられるように、実際に声に出して言ってみることが大事です
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