朝ドラ『風、薫る』第40話|バーンズ先生が歌った英語の歌とは?”The Last Rose of Summer”を徹底解説

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朝ドラ『風、薫る』第8週第40話「夕映え」(2026年5月22日(金)放送)では、バーンズ先生がリンを見守る場面で、美しい英語の歌を口ずさみました

’Tis the last rose of summer,
Left blooming alone;

これは日本では『庭の千草』として親しまれている歌の原曲で“The Last Rose of Summer”(夏の名残のバラ)の冒頭部分です

この記事では、バーンズ先生が歌った “The Last Rose of Summer”(夏の名残のバラ)の歌詞、意味を取り上げます

歌の背景からバーンズ先生がリンに伝えたかった意味も勝手に考察してみます

バーンズ先生が口ずさんだ、あの歌の正体は?

『風、薫る』第40話で、リンを見守るバーンズ先生がふいに口ずさんだ英語の歌

’Tis the last rose of summer,
Left blooming alone;

これはアイルランド民謡の『夏の名残のバラ(The Last Rose of Summer)』です

“The Last Rose of Summer” とはどんな曲?

“The Last Rose of Summer” は、アイルランドの詩人トーマス・ムア(Thomas Moore, 1779–1852)が作詞した歌詞にジョン・スティーブンソン(Sir John Stevenson/1761-1833)が曲をつけたもので、1805年に発表され、アイルランド民謡のメロディにのせて世界中に広まりました

日本では『庭の千草(にわのちぐさ)』という邦題で知られており、「庭の千草も 虫の音も…」という歌詞で親しまれています

明治時代に日本語詞がつけられ、長く愛唱されてきた曲で、教科書にも掲載されるなどしていたそうです

アイルランドが生んだ、世界的名曲です

しかもこの曲の美しさはクラシック音楽の世界にも波及していて、

  • ベートーヴェン:ピアノのための変奏曲として編曲
    →『6つの民謡主題と変奏曲』 作品105 第4曲(変ホ長調)
  • メンデルスゾーン:ピアノ独奏曲として編曲
    →ピアノ曲『「夏の名残のばら」による幻想曲 ホ長調 Op.15』
  • エルンスト:ヴァイオリンの超絶技巧曲『「夏の名残のばら」による変奏曲』
  • フロトー:オペラ『マルタ』の中に劇中歌として使用

など多くのクラシック作曲家が変奏曲や編曲を残しています

“The Last Rose of Summer” 冒頭の2行の英語詞

’Tis the last rose of summer,
Left blooming alone;

バーンズ先生が歌った “The Last Rose of Summer” 冒頭の2行の英語フレーズの意味を見ていきたいと思います

‘Tis = It is の古語形

まずは冒頭部分、

‘Tis the last rose of summer

表現説明
It is現代英語の標準形
‘Tis詩・歌・古典英語での短縮形
It’s現代英語の口語短縮形

アポストロフィ(’)は “I”が省略されていることを示しています

現代英語では “It is” と書くところを、詩や歌では “‘Tis” と短縮することがあります

シェイクスピアの時代から使われてきた表現で、現代英語ではあまり見かけませんが、詩や歌では詩的・文学的なニュアンスがあり、ちょっと古風な表現として今でも使われます

ドラマや教科書では見かけない形ですが、英語の詩や古い歌を読む時に知っておくと役立ちます

英文学や讃美歌、クリスマスソングなどでは今でも見かける表現です

the last rose of summer = 定冠詞と無冠詞のポイント

‘Tis the last rose of summer

“the last rose”の “the” がついているのは「(この季節に)唯一残ったバラ」という特定性を表していて、他のバラはすでに散ってしまい、「あの、最後の一輪」という意味合いが “the” によって生まれます

“of summer” の “summer”には”a”も”the”もついていませんが、英語では季節を表す名詞は無冠詞で使うのが基本

  • spring, summer, autumn, winter → 冠詞なし

「夏の」という属性・性質を表すときの「summer」は形容詞的に機能するため冠詞が不要になります

冒頭の’Tis the last rose of summerは分解すると、

  • ‘Tis = It is の古い言い方
  • the last rose = 最後の一輪のバラ
  • of summer = 夏の

つまり、「夏の最後の一輪のバラ」という意味になりますね

Left blooming alone = 分詞構文

次の、Left blooming alone

この部分は分詞構文になっています

正式に書き直すと:(Having been) left blooming alone

となります

left は leave(〜のままにしておく) の過去分詞で、受動の意味になります

  • left =過去分詞(受動)「残されて、 残されている」
  • blooming = 現在分詞「咲き続けながら、咲いている」
  • alone = ひとりで

つまり「咲き続けたまま、ひとり残されて」という意味になります

直訳すると、「たった一輪だけ咲き残っている」

主語(the last rose)が意図せず取り残された、という受け身のニュアンスが”left”によって生まれているのがポイント

冒頭の日本語訳

’Tis the last rose of summer,
Left blooming alone;

冒頭2行の日本語訳は、

夏の最後のバラが
たった一輪だけ咲き残っている

という意味になります

alone と lonely はどう違う?

’Tis the last rose of summer,
Left blooming alone;

ここで使われているのは「lonely」ではなく「alone」

似ているようでニュアンスが異なります

単語意味ニュアンス
aloneひとりでいる(状態)客観的な事実。孤独感を含まない場合もある
lonely孤独を感じている(感情)主観的な感情。寂しさ・孤立感を伴う
  • She lives alone, but she doesn’t feel lonely.
    「彼女はひとり暮らしだが、孤独は感じていない」

alone は事実、lonely は感情と整理するとわかりやすいです

“Left blooming alone“の “alone” は表面上は客観的な状態(他のバラがいない)を指しています

しかし文脈全体を読むと、孤独感・取り残された哀愁が滲み出ており、lonelyのニュアンスも帯びています

“lonely”と書いてしまうと感情を直接的に述べすぎてしまう

“alone”にとどめることで、読む人の想像に委ねる余白が生まれます

“The Last Rose of Summer” 歌詞全文と日本語訳

“The Last Rose of Summer” は全3節で構成されています

‘Tis the last rose of summer,

Left blooming alone;

All her lovely companions

Are faded and gone;

No flower of her kindred,

No rosebud is nigh,

To reflect back her blushes,

Or give sigh for sigh.

夏の名残のバラよ、ただひとり咲き残って、

愛しい仲間たちはみな散り去ってしまった。

同じ血を引く花も、蕾さえも傍にはなく、

その紅を映し返してくれる花も、

ため息を分かち合ってくれる花も

もうどこにもない。

I’ll not leave thee, thou lone one,

To pine on the stem;

Since the lovely are sleeping,

Go, sleep thou with them.

Thus kindly I scatter

Thy leaves o’er the bed

Where thy mates of the garden

Lie scentless and dead.

ひとりぼっちのお前を、枝の上で枯れるままにはしておかない。

美しい花たちが眠りについたのなら、 お前もともに眠りにゆけ。

こうして優しく、お前の花びらを散らしてあげよう、

庭の仲間たちが、香りも失って眠る場所へ。

So soon may I follow,

When friendships decay,

And from Love’s shining circle

The gems drop away!

When true hearts lie withered,

And fond ones are flown,

Oh! who would inhabit

This bleak world alone?

友情が朽ちていき、 愛の輝く輪から宝石たちが零れ落ちるとき、

私もすぐにお前の後を追うだろう。

真心が萎れ、愛しい者たちが飛び去ってしまったなら、

ああ、誰がこの荒涼とした世界にひとり留まろうとするだろうか?

“The Last Rose of Summer” では、

  • 第1節:仲間を失い、ひとり残されたバラ
  • 第2節:語り手がバラを仲間のもとへ送り出す
  • 第3節:語り手自身も、ひとり残されることを恐れている

が描かれています

自然を描写しながら仲間・友情・別れ・孤独という、人間の普遍的な感情を歌った詩になっていますね

詩的英語・古語英語

“The Last Rose of Summer”の歌詞には、現代英語ではあまり使われない詩的・古語的な表現がいくつか登場します

詩的表現現代英語特徴
‘TisIt is短縮・格調
bloomingin bloom / blossoming詩的な響き
thy / thineyourシェイクスピア的
kindredrelatives / friends文語的

英語の詩や歌には、英語話者の言語感覚が詰まっているため、

  • 語彙の奥行き:aloneとlonelyのような微妙なニュアンスの差
  • 文法の柔軟性:分詞構文や倒置など、詩ならではの構造
  • 音とリズム:英語本来の強弱アクセントが自然に身につく
  • 感情との結びつき:感動した表現は記憶に残りやすい

など詩や歌で英語を学ぶのも効果的です

英語で3行日記を書いてみる

I watched episode 40 of the morning drama today.

The English song Mr. Burns sang was so beautiful.

The song is “The Last Rose of Summer,” a famous Irish folk song.

今日、朝ドラの第40話を観ました

バーンズ先生が歌った英語の歌が、とても美しかったです

その歌は、有名なアイルランド民謡の『夏の名残のバラ』です

言葉は実際に使ってこそ身につきやすくなります

ぜひ英語で3行日記を書いてみよう

応用フレーズ

  • The flower bloomed alone in the field.
    (その花は野原で一輪だけ咲いていた)
    ※bloom alone:一人で咲く
  • He was left alone after everyone left.
    (みんなが去ったあと、彼は一人残された)
    ※be left alone:一人残される

まとめ

第40話でバーンズ先生が歌った

’Tis the last rose of summer,
Left blooming alone;

は、

夏の最後のバラが
たった一輪だけ咲き残っている

という意味でした

『The Last Rose of Summer』は、アイルランドを代表する名歌の一つであり、孤独や別れ、人生の儚さを美しく描いた作品です

バーンズ先生はなぜこの歌を口ずさんだのか……

この歌の意味を知った上で、もう一度第40話を見返すと、バーンズ先生の表情にまた違った印象を受けるかもしれませんね

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※本ページの情報は2026年6月時点のものです。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください

この記事で学んだ英語表現は、

  • ‘Tis;It isの詩的・古語的短縮形
  • the last rose;theで「唯一残った」という特定性を表す
  • of summer;季節名詞は無冠詞
  • Left blooming alone;分詞構文。受動のニュアンス
  • alone vs. lonely;状態(客観)vs. 感情(主観)

朝ドラの英語をきっかけに、一歩先へ

ドラマで使われる英語は、生きた英語表現がたくさんあります

こうした英語表現を自分のものにするには、実際に英語を使う環境に身を置くことが一番の近道

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